試合を見ていると、「上手い」選手というものはとても目立ちますよね。
現代サッカーは戦術が洗練され、これまでになく「組織」として戦う必要があります。
しかし、その中にあっても「個」の力というものは、ますます重要になってきています。
2022年に開催された「カタールW杯」。
私個人としては、これまでで最高に面白いW杯だったように感じています。(実際に見たのは2022年以降ですが・・・)
特にアルゼンチンとフランスが闘った決勝戦は、ドラマチックな展開もあり、非常に見応えのあるものでした。
両チームともに、エースであるメッシとエムバペの能力を最大限に活かそうとしたスタイルで勝負し、戦術が洗練された現代サッカーの中にあっても個の力が重要であると裏づけたものでした。
では、「上手い」選手の条件とは何なのでしょうか?
「上手さ」=「速さ(早さ)」
これは私の持論ではなく、「8人制サッカーの教科書(内藤剛志著)」に書いてある理論です。
この理論では、「速さ(早さ)」は、①技術のスピード、②身体のスピード、③頭のスピード、の3つに分けて考えられています。
①技術のスピード
パスの受け手が相手のマークを外した瞬間に、パスされたボールがピタッとくる。これはチームとしてボールを保持する上で、とても大切なことです。
ただし、これを成立させるためには、パスの受け手がマークを外した瞬間に、ボールホルダーが蹴れる状態になっていないといけません。
仮にパスの受け手がマークを外していたとしても、トラップがうまくできず、ボールが出し手の足元に入りすぎていたり、浮いていたりすると、パスを出すことができません。
つまり、「自分がボールを蹴れる状態をいかに早く作れるか」が技術のスピードといえます。
詳しく述べると、
・いかに短い時間で、次の人にボールを蹴れる状態にできるか
・パススピードを上げ、いかにボールの移動時間を短くできるか
・どんなスピードのボールでも、一度でボールと身体を整えることができるか
これらが「技術のスピード」です。
②身体のスピード
「走る」スピードと「ドリブル」のスピードのことです。
まずはこれら2つの最高速を上げることが必要です。
「走る」スピードについては、一朝一夕で上がるわけではありませんが、私個人としては陸上競技の走り方を取り入れることで速くなると考えています。
陸上の走り方については、『【走りの学校】足の速さは才能じゃない!!』というYoutubeチャンネルを参考にしてみてください。
「ドリブル」のスピードについては、ボールを使わずに走る際のスピードにどれだけ近づけられるかが重要です。
ドリブルのスピードが遅い最大の原因は、歩幅(ストライド)にあります。
走る時のストライドとドリブルの時のストライドが近ければ近いほど、ドリブルのスピードは上げることができます。
③頭のスピード
サッカーにおけるプレーの一連の流れは、「認知」→「判断」→「実行」の順で行われます。
ボール、味方、相手、スペースがどこにあるかを「認知」し、認知した情報をもとにどのようなプレー(ドリブル?パス?シュート?)を選択するか「判断」し、プレーを「実行」する。
頭のスピードは「認知」→「判断」の精度を上げていくことだと考えられます。
「いつ、何を、どのように」という視点で認知することで、情報収集力が上がり、頭のスピードは上がっていきます。
よく「首を振れ」と指導しますが、これはあくまでも「周りを見て認知するために」行うものであり、認知が得意な選手の中には首を振って見る回数が少なくても、脳内でイメージし、情報を補う選手もいます。
これら3つのスピードを上げることが、「上手い」選手になるための第一歩です。
「上手さ」=「速さ(早さ)」
この視点で選手を見ることが大切です。